スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今村友紀「バスチオン公園の馬鹿たち」

出典:『群像』2013年4月号
評価:★★☆☆☆

四月一日の朝。まだ肌寒いジュネーヴの街で俺はいつもの仕事をしている。(p.82)

からはじまる短編です。日付が頭にしるされてある通りエイプリルフールに起こった出来事を扱っていて、「俺」と名乗る男が募金詐欺をはじめると、わらわらと胡散臭い人や善意の人が集まってきて、SNSなんかも通じて大量の募金が集まり、最後の最後で初老の紳士にまんまと金をだまし取られそうになるところで終わる、一種のコンゲームのようなつくりです。と、筋だけ書けば面白そうな気もしなくはないんですが、作品は既視感たっぷりの描写が連続してあまり楽しめませんでした。なんかの映画で見たなあというようなテイスト。エンタメ風の軽い読み物として流し読めてしまいます。

先日もテレビニュースで募金詐欺が話題になっていたし、震災の復興資金がよく分からないNPO法人に使いこまれてしまったりと、偽善的なものもふくめてとにかく善意から出される募金の行方は、よくよく考えてみると最後まで追跡してみないことには、じつはよく分からないものなのかもしれません。この作品で出てくるような「アフリカ植林事業財団」のような何となくありそうな団体名をでっち上げて、よせられた募金をまんまとせしめる人たちって結構いそうです。

中国人にアメリカ人にインド人。あらゆるエスタブリッシュメントが俺たちに募金する。ハトヤマとかいう不思議な髪型をした日本人が訛った英語で「友愛! 友愛!」と叫びつつ札束を押しつけてくる。(p.87)

このへんになると、できの悪いネット上の落書きと相違ありません。善意、偽善、嘘、募金、お金をめぐる騙しあい、など素材としては短編向きの面白そうなものながら僕にはいまひとつでした。
スポンサーサイト

コメント

Secret

プロフィール

読む人

Author:読む人
小説の感想を、自分基準で。コメントはご自由にどうぞ。

★☆☆☆☆(面白くない)
~★★★★★(面白い)で評価。

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。