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島田荘司「嘘でもいいから誘拐事件」

出典:『嘘でもいいから誘拐事件』(集英社・集英社文庫・1994年)
評価:★★☆☆☆

堀江敏幸『燃焼のための習作』に登場する相談者・熊埜御堂氏の名前は印象的ですがその元ネタじゃないのだろうけれども本作「嘘でもいいから誘拐事件」にも、隈能美堂(ただしこちらは、くまのみど)というADが狂言回し役として登場します。本作は、テレビ局のある撮影チームがロケ先で出会う不思議な現象を、ユーモアたっぷりに語ったもの。

人が消えたり、交通事故が起こったり、狂った老婆が乱入したり、普通に考えれば結構な事件がおこりますがそこはユーモアあるのでとてもライトに描かれています。著者自身、あとがきで「原稿を書きながら気分転換のできる、ひとつの小説パターンを創ってしまう」という意図のもとにこの作品を書いたと告白しています。また、「最も肩の力の抜けた、読者本位の、正しいミステリー」とも。

確かに肩の力は抜けているのだけれど、リアリティの部分で疑問が残るところもあるので十分には楽しめなかったなあ。例えばテレビクルーが運転する車の目の前で、パトカーが崖から落ちるなんてあったらまずテレビカメラを回すでしょうし、突然人ひとりいなくなれば警察に知らせるでしょうし。そういうことをせずストーリーに登場人物が都合よく動かされてい過ぎるところが透けて見えたのでかなり冷めた目で読んでしまいました。なので、十分ユーモアの部分を楽しめなかったなあ。なぞかけと種明かしの部分は満足。

これだけ開き直って肩の力を抜いて書かれた作品だと、適当なキャラクターでも案外はまるものですね。島田荘司の本格ものには到底出て来そうにないいい加減な人物もこの作品だとアリだなと思えました。テキトーな人物を造形すればテキトーな言動をさせても違和感ないというのは一つの発見。
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