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長島有里枝「スーパーヒロイン」

出典:『群像』2010年8月号
評価:★★★☆☆

翻訳で生計をたてる30歳すぎの女性が習い事のバレエ教室で出会った女の子(ハタチ過ぎ)に片思いする話です。こういう話を、「何気ない世界を繊細にすくいとった」と見るか、「大して面白みのない世界を小ぢんまり描いた」と見るか、両側面あると思います。私はあえてどっちかというと前者寄りではあるものの、まあ結局たいしたことおこってないよな、という読後感も残っている(笑)

手法としては、作中劇でバレエのペトルーシュカを物語のラストに配し、作中の語り手の片思いする気持ちとペトルーシュカの叶わぬ恋とを重ねあわせているところが一工夫しているところ。バレエという道具立てをつかって、恋することになる女の子との出会い、引かれる気持ち、叶わぬ恋、というところまでうまくまとまっていると思うものの、ラストのバレエの場面は単なるペトルーシュカの解説になってしまった感じをうけました。

女性が女性に恋する話なので、語り手はいわゆるレズビアンなのだけれど、そのレズビアンの自意識過剰っぷりとか被害妄想炸裂とかもなくことさら淡々と女の子への恋心を描いているところはさりげないですが、そのさりげなく書くこと自体がじつはなかなかすごいことなのかもしれません。ちなみに、恋されるほうの女の子は結局名前が出てこなかったんですが(一貫して「彼女」)、そんなもんでしょうかね。好きな子にたいして彼女彼女っていいつづけるのは不自然かなと思いました。なんかこの呼び方じたいに意味があったのかな。

あと作品テーマとは全く関係ないですが、語り手の女性、大学の先生から回してもらう翻訳の仕事で生計をたてているようですがそれで生活成り立ちますかね(笑)。翻訳以外にもなにか仕事しないと、「近くのスーパーじゃなくて駅向こうの小さな食料品店で買うコーヒー豆」を買うこだわり(というほどでもないけれども)の生活維持できないんじゃないだろうかと余計な心配もしてしまいました。
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