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赤木和雄「神キチ」

出典:『新潮』2009年11月号
評価:★★★☆☆

本気のもの胡散臭いもの含めあらゆるところに宗教が氾濫する現代。民間信仰や土俗的なものもふくめれば現代人とはきってもきれないテーマであるにもかかわらず、最近の書き手で本格的に宗教をテーマにした作家はいるでしょうか。新人作家(といってももう3年も前になっちゃいますが)のデビュー作で宗教をとりいれたことはまず評価したいなあと思います。ただ、真正面から宗教を扱うというよりは、宗教的なモチーフをいろいろ取りいれて笑い飛ばすという趣向が強いですが。

一つひとつの、コントみたいなシーンを積み重ねて作品を構成しています。それぞれのシーンはどれもばかげているものばかりで笑ってしまいます。宗教でボケマショー(ごっつええ感じ)というコンセプトとおもえなくもない。特に冒頭でてきた自殺者とそれを見守る二人のやりとりはオチも含めて秀逸でした。爆笑。

「アー待って待って」と若者が言って枝にくくり付けてあるロープを指した。「これダメですよ、このままじゃ。これユルユルじゃないですか。何やってるんですか、これ一番肝心な所じゃないですか。ボクが来なかったら、どうするつもりだったんですか」
 ベンチの上に駆け上がった若者は、男を押しのけ、「ヒュウルルル、ヒュウルルル」と妙な息遣いをしながら、先の輪になったロープに手を伸ばした。足の縛られた男は若者に押され、ベンチ上でよろけて若者にぶつかった。若者の首が勢い良くロープの輪の中へ入り、重みがかかってロープの輪が絞まった。若者の頭の豆電球がしばらくの間明るく点灯していたが、やがてフッと消えた。(p.69)

血圧があがると頭にとりつけた豆電球が光る若者が唐突に登場して自殺の手助けの手助けをしようとしていたら、間違って自分が死んでしまったシーンです。豆電球が頭についてるだけでもニヤニヤしてしまいますが、さらに死んだら「若者の頭の豆電球がしばらくの間明るく点灯していたが、やがてフッと消えた」この一文の余韻は半端ない。

赤木和雄と同郷のよしみで、水木しげる先生による漫画化希望。
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