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片岡義男「そうだ、それから、マヨネーズ」

出典:『文學界』2011年11月号
評価:★★☆☆☆

片岡義男ってこんな感じでしたっけ?星一つの作品についてもいままでいくつか書いてきたんですが、星一つにしようか星二つにしようか迷いました。結局、星一つにするほどの怒りをもよおさせない、ただただへたくそな作品ということで星二つに。むかーしに片岡義男の本は何冊か読んだことある気がする(気がするというくらい遠い記憶で当然内容など失念)のですが、こんなへたくそでしたっけ?

まず話が面白くない。30半ばの作家とカメラマンが一日仕事で電車に乗って、地方で喫茶店をやっている元女優に取材に行くという話。設定は30半ばなんだけれど、この会話は50歳半ばの男たちと言ってもいいぐらいに古臭い感じがします。どこがどう古臭いか、丁寧に技術的に読んでみればよかったのだけど、そうしてみようという気も萎えるぐらいのへたくそさ(笑)

その杉浦をビールを飲みながら見て、大村は言った。
「オックスフォードのタッターソルのシャツに紺ブレ、そしてカーキ色のチーノに、靴は黒くてどっしりとしたエンジニア・ブーツ。手ぶらかい」
「手帳にボールペンくらいは持ってるよ」(74p.)

どうよこれ(笑)。たんにへたくそへたくそいうのも言いがかりなのでここだけでも技術的に解説してみると、まず地の文での「を」「を」の連続は音に対して鈍感ですね。またこの引用直前の文の主語は杉浦なので動作人物の無意味な転換も読む人に負荷をかけてしまいます。そして極め付きが発言内容。雑誌の服紹介でもあるまいに、自分と話している人物の着ている服や靴を逐一挙げる「発言」というのは酷い。しかも服飾品の列挙にしても使われている語彙のセンスのなさ。鍵括弧にくくって発言している以上、声(=音)に出されているわけですけれど、「タッターソル」とか話し言葉で使うでしょうか?チノじゃなくて「チーノ」でしょうか?エンジニアブーツじゃなくて、「エンジニア・ブーツ」のナカグロは音としての言葉じゃなくて文字としての言葉じゃないでしょうか。そしてしつこいようですがもう一度繰り返します。この発言をしているのは30半ばの男です。

まあこんなぐあいで、作家が書きたいように書いているだけの何の読み応えもない作品です。最後は、わかれた昔の女と偶然スーパーで再開して、一緒に買い物して「バーにいこうか」となる展開。もう一度いいますが、30半ばの男の話ですよ、これ。片岡義男ぐらいの年齢の作家になると、編集の人は原稿没にできないのかな。若手が頑張って書いた作品よりも、片岡義男という名前がついてるだけでこっちの作品のほうが読まれてしまうんでしょうかね。同じ星二つでも、昨日感想を書いた間宮緑の場合は、若書きで一生懸命書いてわけわかんなくなってしまったのに対し、この片岡義男の小説は「一生懸命に書いたのかこれ?」と疑わしくなるほど読み応えがない作品で、その意味合いは異なります。圧倒的に間宮緑の作品の方が好感を持てるし応援したくなりますし、別の作品を読んでみたくもなります。この片岡作品は、読んでいて怒りすらも催さないほど不可解な作品でした。
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