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二瓶哲也「最後のうるう年」

出典:『文學界』2012年12月号
評価:★★★☆☆

東京での仕事をやめて群馬の実家に帰る「自分」が、過去知り合った男を路上で偶然見かけ、そこから二十年前のことを回想する小説です。最後の叙述トリック(といっていいのかな)は、乾くるみ『イニシエーション・ラブ』とか殊能将之『ハサミ男』なんかを彷彿とさせる手口で、純文学雑誌ではあんまり見かけない書き方だけに、読むほうとしては油断していて虚を衝かれた感じです。作品の本質部分として必要か、と問われれば疑問ですが、読み手をびっくりさせたいという気持ちが書き手にあるのはうれしいかぎり。また次回作も読みたくなりました。

同号掲載の新人賞受賞作『隙間』を読んだあとも思ったんですが、新人賞の文章の上手さって凄いですね。プロとしてエンタメ系小説を何作も書いている人なんかより、デビューしたての二人のほうが明らかに描写力あります。ジャンルによって大まかにいえば、ストーリーで読ませるか、描写で読ませるかみたいな違いがあるんでしょうけれど、この『最後のうるう年』はどっちもけっこう楽しませてくれました。風俗業界で働く人は知り合いにいないので、異業種を覗き見しているようでそれだけで楽しいし、かつ出てくる人物の描き分けもそれぞれの特徴を出して巧みでした。
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