スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

丹下健太「サタデードライバー」

出典:『群像』2013年2月号
評価:★★☆☆☆

星一つか二つかで迷いましたが、一つにするほど腹が立たなかったてことで星二つ。星座シリーズの獅子座担当は丹下健太。技術的に光るところもなければ、話も何がいいたいのかよくわかりませんでした。

話は、婚姻届を提出しに市役所に行く予定のカップルが、途中で寄ったショッピングモールで占い師に星占いをしてもらい、それまで自分の星座は乙女座だと信じていた男が、実は獅子座であると指摘されたことでヘソを曲げてしまい、予定していた市役所へは行かないとダダをこねはじめ、つられて苛立った「私」が三年ぶりの運転を買ってでる、という筋。読後の感想としては、他愛のない痴話げんかを読んだだけ、というなんともつまらないものしか残りませんでした。

僕にとってよくわからない原因の主なものは、僕自身が星占いとか血液型うらないとかを酒の席での話のネタ程度にしかおもっていないからで、この作品にでてくるカップルの男の方が、「今まで乙女座だと思って生きてきたが、実は獅子座だった」という事実に気分を害してしまうという態度に、まったく感情移入できないからだろうなあと思います。

主人公の男性のうけた衝撃が凄まじいものであることを示すためには、この男性がこれまでいかに乙女座であることにこだわって来たかが示されていなければならなかったでしょう。といっても、少しすれば気分がなおっているし、自分でも

「それはいいとして、別に星座で性格が変わるわけじゃないんだからさ。いいんじゃないの?」
「いやそれはそうだけどさ。でも、逆に星座によって性格が違うって言ってんのは占い師とかなんだぜ。だいたい俺も全面的に占いを信じてきたわけじゃないけど(略:引用者)」(p.58)

とも言っていることからすれば星座に対する物凄いこだわりもないわけだし、結局、読み終わって起伏の少なさになんの引っ掛かりものこりませんでした。星占いの結果にへそを曲げた男が、痴話げんかをしただけだという。

へそを曲げる男にたいして、一人称語りの「私」がなにか働きかけるとか、心の中でだけ皮肉を利かすとか、そういうわけでもないし、人称の選択もなんかおざなりな感じ。橋本治の短編の場合は、まさに語りが効果的だっただけに、こんな気の抜けた作品を読んだ分時間を損したような気になりました。何が狙いだったんでしょうか、これ。
スポンサーサイト

コメント

Secret

プロフィール

読む人

Author:読む人
小説の感想を、自分基準で。コメントはご自由にどうぞ。

★☆☆☆☆(面白くない)
~★★★★★(面白い)で評価。

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。